Q.私もだんだん年を取ってきて、将来もし認知症になったらどうなるのかな、と心配になってきています。
そんな中、成年後見という制度があるということをお友達との会話やニュースなどで知り、成年後見のことはリーガルサポートという団体に相談したら良い、と聞きました。ところで、リーガルサポートってどんな団体なんですか?
A.リーガルサポートというのは、全国に2万人以上いる司法書士の中でも、特に成年後見に関する業務に意欲を持って取り組んでいる司法書士約7,000人が構成員となっている団体(公益社団法人)です。
単なる司法書士業界の内部の親睦のための団体ではなく、会員である司法書士が成年後見人等として適正な業務を行えるように、行った業務の内容について報告を求めたり、また業務をどのように行っていけば良いか悩みを抱えている会員に対して助言や支援を行ったりする活動などをしています。
最近では成年後見の制度について強い関心を持たれている方が多くなっていると実感しており、私ども司法書士としても、成年後見の制度や実務についてますます研鑽を深めないと、と痛感している今日この頃です。
さて、リーガルサポートという団体についても、その言葉は耳にされたことのある方もいらっしゃることでしょう。
正式な名称は、「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」といい、東京にある本部を頂点として、各都道府県単位で支部があります。構成員(会員)は司法書士であり、全国に7,000人以上います。
司法書士の総数は全国で2万人強いますので、司法書士の3人に1人程度が、このリーガルサポートの会員になっています。
※東京・大阪などの都市部では、この割合が低めですが、これはご自身で事務所を経営せず、他の司法書士が経営する事務所に勤務している方(いわゆる勤務司法書士)が多いためです。
※ちなみに奈良県(リーガルサポート奈良支部)の場合はどうかと言いますと、奈良県内の司法書士総数約220人に対し、リーガルサポートの会員になっている司法書士が77人(平成28年4月1日現在)ですので、ほぼ全国平均並みの割合ですね。
ちなみに、リーガルサポートの会員である司法書士と、非会員の司法書士とで違いはあるのか?というご質問をよくいただいておりますので、この場でお答えしておきます。
◎家庭裁判所に提出する成年後見・保佐・補助の申立書を、(報酬を得て)作成するだけでしたら、司法書士であれば誰でも(特にリーガルサポートの会員でなくても)可能です。
◎しかし、成年後見人・保佐人・補助人や各監督人に選任されるのは、原則としてリーガルサポートの会員である司法書士で、なおかつ、所定の研修をすべて受講したことの認定を受けており、あらかじめ家庭裁判所に提出されている「後見人候補者名簿」や「後見監督人候補者名簿」に登載されている司法書士のみです。
それでは肝心の活動内容はどのようなものでしょうか。
1.会員が「司法書士後見人」として、判断能力に不安のある高齢者の方や障がい者の皆様と直接関わりながら、ご本人様の最善の利益を図るために、財産管理や身上監護を行います。
平成12年(2000年)4月にスタートした成年後見制度の下では、親族の方以外の第三者後見人として、司法書士・弁護士・社会福祉士が家庭裁判所から選任されていますが、その中でも司法書士の選任数がトップとなっています。
リーガルサポートでは、「研修システム」と「指導・支援システム」の両輪のシステムで、会員を支えています。
◎研修システム…会員に対し、後見人としての倫理や法律・医療・福祉等の幅広い後見に関する知識・技能を身に付けさせるためのシステム
◎指導・支援システム…会員に対し、行っている成年後見業務について定期的に報告をさせることにより、適正に業務を行えるよう、所属支部や本部が指導を行ったり、業務に関し悩みを抱えている会員に対して助言や支援を行うシステム
※リーガルサポート会員の中から選任された「執務支援管理委員」が、各会員から提出された報告の内容を精査したり、必要に応じて助言・支援を行う、という役割を担っております。
2.成年後見制度に対する皆様のご理解を深めていただき、より利用してもらいやすくするための各種の活動を行っています。
(下記の各項目の記述は、リーガルサポート本部のホームページより引用しました。)
・成年後見制度や申立の手続きなどの相談
・「親族後見人養成講座」、「講演会や説明会」、「シンポジウム」の開催
・地域包括支援センターなどの行政や福祉・医療関係の皆様と協力しながら虐待防止等「高齢者・障がい者等の権利擁護」ための支援活動
・書籍の発刊などの成年後見制度を普及するための活動
・成年後見制度の改善研究・提言活動
・「成年後見の社会化」推進活動
以上、いろいろ書かせていただきましたが、要は、「成年後見のことなら司法書士」、「相談するならリーガルサポート」、と覚えておいてください。
なお、はしもと司法書士事務所でももちろん、成年後見についてのご相談に対応させていただいております。代表者の橋本自身もこのリーガルサポートの会員ですので、お気軽にご相談ください。
はしもと司法書士事務所
代表 司法書士・相続診断士・民事信託士 橋本浩史(奈良県司法書士会所属 第471号)
公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート会員(会員番号 第6410360号)
(後見人候補者名簿及び後見監督人候補者名簿登載)
簡裁訴訟代理関係業務認定司法書士(認定番号 第1012195号)
一般社団法人相続診断協会認定 相続診断士(認定番号 第512848号)
一般社団法人民事信託士協会認定 第5期民事信託士(登録番号 第20ー05ー106号)
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