5.権利証を無くしてしまった時はどうなるのか? その1 とっさの対処法

Q:大事に保管していたはずの権利証(登記済証または登記識別情報)が、もし行方不明になってしまったり、盗まれたり、誤って破棄してしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか?

 

A:権利証は再発行されることはありませんが、権利証を無くしたからといって所有権を失うわけではありません。


また、実印や印鑑登録証(印鑑カード)の管理をきちんと行っている限りは、第三者に勝手に名義を移されるおそれもありません。

 

もし、実印や印鑑登録証(印鑑カード)も紛失している場合には、以下のような方法で不正な登記がなされるのを防止することになります。

 

1.速やかに市区町村役場に改印届または印鑑登録廃止届を提出して、第三者に不正に印鑑証明書を取得されないようにしてください。
※市区町村役場は、第三者であっても印鑑カードを窓口で呈示した者に対しては、代理人であるとみなして特に委任状なしでも印鑑証明書を発行しますので注意が必要です。

 

2.登記識別情報の失効
これは権利証が登記識別情報の場合に限られますが、登記識別情報の12ケタのパスワードの効力そのものを失わせることができる制度です。第三者が不正に使用することは出来なくなります。もっとも、あなた自身も使用できなくなります。

 

3.不正登記防止申出の制度
これは不正な登記がされる差し迫った危険がある場合に、法務局にその旨の申告をして不正な登記がされるのを防止する制度です。この申告をしておくと、3ヶ月間はもし仮に何らかの登記申請がなされた場合に、法務局からその旨を連絡してくれますので、不正な登記がなされるのを防止する対策を取ることができます。
但し、この制度の利用には、警察への被害届提出、防犯の相談または告発、市区町村長への改印届または印鑑登録廃止届の提出などをしていることが必要です。


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