8.登記識別情報の有効証明について

登記識別情報とは、A4判の緑色の用紙の下部に12ケタの数字とアルファベットを組み合わせたパスワードが書かれた、法務局のオンライン化後のいわゆる「権利証」のことです。

 

パスワード部分は通常、シールを貼って隠してあります(※下記注.参照)。不動産1筆につき1枚ずつ(敷地と一体化したマンションなら一体で1枚)、名義人お一人につき1枚あります。

 

登記識別情報の有効証明とは、この登記識別情報(パスワード)が有効なものであることを法務局に証明してもらうことです。

 

登記識別情報には、「失効の申出」といって、権利の名義人の方が何らかの理由(パスワードを盗み見られた、管理が煩わしい、など)でパスワードの効力を消滅させることを申し出る制度があります。

 

したがって、登記識別情報の通知書の原本がある、というだけではパスワードが有効であるかどうかは分かりません。そこで、取引の安全を確保するため、登記識別情報の提供が必要な登記の申請において、事前に法務局に対して有効証明を請求し、その有効性を確認してから登記申請を行います。

 

実務上は、売買・贈与などの所有権移転登記や、抵当権などの担保の設定登記に際し、登記を担当する司法書士が、例えば取引の前日に法務局に有効証明を請求し、登記識別情報の12ケタのパスワードが有効であることを確認してから実際の登記申請を行います。

 

※注.

(最新情報)前項7.「登記識別情報とは」でも触れましたが、平成27年2月23日以降、登記識別情報通知書の様式が順次変更になり、今までのシールで登記識別情報を目隠しする方式から、折り込み方式(登記識別情報を記載した部分が隠れるよう、A4サイズの用紙の下部を折り込んで当該登記識別情報を覆い、その縁をのり付けする方法)へと変わります。

但し、今回の変更は通知書の様式の変更(=パスワード部分の隠し方の変更)であり、登記識別情報そのものの本質は変わりありません。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。