前項10.では、財産分与を原因とする所有権移転の登記手続きの必要書類のうち、協議離婚された場合について見てきました。
ここでは、協議ではなく、裁判所での手続き(調停・審判・裁判)を経て離婚された場合について見ていきます。
協議離婚の場合には、元ご夫婦のお二人による申請を前提にしておりましたが、裁判所の手続きによる場合には、調停調書・審判書・判決書に一定の記載がなされていれば、財産分与を受けられた方が単独で登記手続きを申請できる場合があります。この、単独で申請できる点が最大の違いです。
調停・審判・裁判離婚に伴う財産分与による所有権移転登記の必要書類は次のとおりです。
◎離婚についての記載のある戸籍謄本
◎財産をもらう側の方の住民票(期間制限はありません)
◎対象不動産の固定資産評価証明書(本年度のもの)
登録免許税額の計算に必要となります。
市町村によっては当事務所でもお取りすることが可能ですのでご相談ください。
◎委任状
財産をもらう側の方につき必要です。当事務所にて作成いたします。
◎登記原因証明情報
裁判所から交付される、調停調書・審判書・判決書などのことです。
裁判所における審理の過程で既に調査がなされていることから、内容の真実性がある程度担保されているため、協議による離婚の場合に比べて必要な書類が少なくなっているのです。
※注意点
1.通常、離婚に伴う財産分与による所有権移転登記をする場合、登記簿上の名義人の方(財産分与する側の方)の住所や氏名が変更になっている場合が多いです。
そのような場合には、財産分与による所有権移転登記に先立って、登記名義人の住所・氏名の変更登記が必要になります。
この点は裁判所での手続きによる離婚の場合であっても同じですが、これも財産分与を受けられた方が単独で申請をすることができます(代位申請といいます)。
2.上記のように財産分与を受けられた方が単独で登記申請できるようにするためには、調停調書・審判書・判決書にその旨の記載がなされている必要があります。この記載方法には不動産登記における独特なルールがあるため、事前の調整が必要です。
詳しくはご相談ください。
はしもと司法書士事務所
代表 司法書士・相続診断士・民事信託士 橋本浩史(奈良県司法書士会所属 第471号)
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