不動産の登記を申請する際には、登録免許税とよばれる税金を国(=法務局)に対して納める必要があります。この登録免許税の税率・税額は、原則として登録免許税法という法律で定められています。
一方、租税特別措置法という別の法律で、一定の条件に適合した居住用の家屋について、この登録免許税を軽減する措置が定められています。具体的には以下の家屋に関する登記についてです。
◎新築・未使用家屋についての所有権保存登記・所有権移転登記
◎既使用家屋についての所有権移転登記(売買・競落による取得)
◎新築・未使用・既使用家屋の取得や増築等に際しての貸付けに係る抵当権設定登記
上記の登記申請に際して減税の適用を受けるためには、その家屋が租税特別措置法の定める条件に適合した住宅用家屋であることを証する、市区村長が発行した住宅用家屋証明書を、登記申請書に添付することが必要となります。
【住宅用家屋であると認められるための要件】
◎個人が自己の居住のために新築または取得したものであること。
◎床面積が登記簿上50㎡以上であること。
◎新築または取得後1年以内に登記を受けるものであること。
◎住宅面積が家屋全体の90%を超えること。
◎マンション等の場合は、耐火建築物・準耐火建築物・低層集合住宅のいずれかであること。
◎(所有権保存登記の場合)新築または建築後未使用であること。
◎(既使用住宅の所有権移転登記の場合)以下の(1)~(3)のいずれかに該当すること。
(1)木造・軽量鉄骨造の場合は、取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
(2)鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造などの場合は、取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
(3)耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の提出がある場合(建築期間の制限なし)
【住宅用家屋証明書の取得に必要な書類】
※市町村によって多少異なる場合があります。詳しくはご相談ください。
◎住宅用家屋証明申請書
◎対象家屋の登記事項証明書の写し
◎住民票の写し
◎(新築・未使用家屋の場合)確認済証および検査済証の写し
◎(未使用家屋の場合)家屋未使用証明書
◎(未使用・既使用家屋の場合)売買契約書または登記原因証明情報など
◎(未入居の場合)入居予定申立書および現住家屋の処分方法を証する書面(売買契約書、媒介契約書、賃貸借契約書の写しなど)
【住宅用家屋証明書の手数料】
1通あたり1,300円
【登録免許税の軽減効果】
◎所有権保存登記…通常税率は基準評価額の0.4%のところ、0.15%に軽減。
更に長期優良住宅や低炭素住宅に該当する場合には、0.1%に軽減。
◎所有権移転登記…通常税率は固定資産評価額の2%のところ、0.3%に軽減。
◎抵当権設定登記…通常税率は抵当権の設定金額の0.4%のところ、0.1%に軽減。
このように、証明書1通の手数料は若干高いものの、税負担の軽減効果は大きいです。
はしもと司法書士事務所でも、登録免許税の減税が適用可能な案件では、減税を前提として手続を進めるべく手配させていただきます。詳しくはご相談ください。
はしもと司法書士事務所
代表 司法書士・相続診断士・民事信託士 橋本浩史(奈良県司法書士会所属 第471号)
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