Q.私もそろそろ年なので、遺言書を作成したいと考えています。ところが、私はもともと手が不自由で、自分の名前だけならともかく、長い文章の字を書くのが非常におっくうです。遺言書は自分で書かないと無効だと聞いたのですが、どうすれば良いですか?
A.遺言書のうち、自筆証書遺言の場合は、おっしゃるとおり全文を自筆で書かないと無効になりますが、公正証書遺言や秘密証書遺言は自筆で作成する必要はありません。
自筆証書遺言の場合には、その名前のとおり、遺言書全文を自筆で書くことが必要要件となっています。というわけで、誰かに代筆してもらったり、パソコンやワープロなどで作成したとしてもその遺言書は無効になります。
公正証書遺言の場合には、遺言書の文章は最終的には公証人が作成します。
(司法書士が作成のお手伝いをさせていただく場合には、お客様からお聞きした内容に沿って文案を作成し、それをもとに公証人と打ち合わせをします。)
また、公証人に対しては、口頭で遺言書の文章の案を伝えることもできます(これを、口授(くじゅ)と言います)。これは自ら公証役場に出向くだけでなく、公証人に自宅や病院などに出張してもらっても可能です。
というわけで、公正証書遺言の場合には自筆が必要かどうかはそもそも問題とななりません。
秘密証書遺言の場合には、特に遺言書全文を自筆で作成しなければならない旨の規定はありません。というわけで、誰かに代筆してもらったり、パソコンやワープロなどで作成することも可能です(署名は自筆でする必要があります)。
ただ、民法の規定の中に、何らかの理由(例.証人の資格のない人を証人にしてしまった等)で秘密証書遺言として無効だとしても、自筆証書遺言としての要件を満たしていれば、自筆証書遺言としては有効になります、という規定があります。
このような場合に、代筆やパソコン・ワープロ作成では自筆証書遺言として有効となる可能性が全くありませんので、できれば自筆の方が良いと思います。
はしもと司法書士事務所
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